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メールマガジン2022/AUGST
============================= ![]() 【8月のおすすめ豆】 8月にご紹介するビーンズは、コーヒーライフを導く明るく力強い輝き「太陽のコロンビア」です。 コロンビアの南部ウィラ地区は、コロンビアの3大コーヒー産地の中でも最も標高が高い場所にあります。 やや気温が低めなこの土地は、強く明るい太陽の日差しとヌーベ・ブランカと呼ばれる白い雲が 絶妙なバランスでコーヒーの樹木をやさしく覆い、ゆっくりと糖分を溜めながらストレスなくコーヒー豆が育つ魅力的な地域です。 〈太陽のコロンビア〉 プロダクトナンバー:No.775 生産国: 7 コロンビア 焙煎度 :7 フルシティロースト 濃厚感: 5 ミルキーな 生産地: アンデス山系南部ウィラ地区 精製方法 :ウォッシュド 価格: 820円(税込)100g ============================= ![]() 【コーヒーとの出会い PH通り店・野坂 優子】 一番古い記憶のコーヒーは「甘い缶コーヒー」。 家族でドライブに行く時は、みんなで缶コーヒーを飲んでいたことを思い出します。 日常でコーヒーが「欠かせない存在」になったのは、高校時代だったと思います。 勉強の合間の短い休憩時間、自動販売機で買った缶コーヒーを眠気覚ましにグッと飲む。 ほろ苦さと甘さでリラックスしながら、この一口でシャキッと気持ちを切り替えることができました。 コーヒーは私の「やる気スイッチ」を押してくれる存在でした。 進学先の広島では、接客に興味があり、大手スタンドコーヒーショップのアルバイトをはじめました。 大学時代の3年半くらい、ずっとコーヒーショップのスタッフでした。 ここではコーヒーは「点てる」というよりも機械で「つくる」ものではありました。 でも自分がお出しするコーヒー1杯でお客さまがホッとしたり楽しんでくださる。 ちょっとしたレジでの会話が、私の喜びの原動力でした。 仕事をする上でのルールやマナーなども学び、「仕事の苦みや厳しさ」も、コーヒーと共に味わいました。 ![]() 卒業後は別業種に就職したのですが、何かあたらしい仕事をしたい…と考えはじめました。 思い浮かんだのはやはり「コーヒーショップでの仕事」でした。 それも、本格的なコーヒーを扱うお店しか頭にありませんでした。 そのタイミングで、ここ「コーヒーボーイph通り店」のスタッフ募集を見つけ、初めて訪れました。 ところが…その時のことは実はあまり「記憶がない」のです。 とにかく来店したその日に履歴書を書き応募して、本社の方で面接があり、あれよあれよという間に採用になりました。 まさに流れの「勢い」に乗ったようでした。 店舗で出会ったスタッフ、コーヒーの味、店舗の雰囲気、すべてが「しっくりきた」「はまった」感じ。 自分がこのお店で働くイメージに全く違和感がない。あまりに自然だったから「記憶にない」のかもしれません。 最初はダブルワークのまま土日勤務でしたが、1年勤務の後、正社員となりました。 どちらかを選ぶとなったときに、迷うことなく、私はこちらの道を選びました。 コーヒーボーイはルールもないしマニュアルもないんです。 チェーンのコーヒースタンドなどは、細かなルールやマニュアルがありセリフ一つまで決まっているものです。 コーヒーボーイでは、私たちスタッフは、自分の仕事について自分たちで考えて動く、オリジナリティを大切にしています。 ですから「こんなことやってみたい」「こうしたい」ということを、いつも考えるようになりました。 それらは上手くいかないときもありますが、それも含めて全部が楽しいのです。 思えば、入社した当時の店長がとても楽しく働いておられました。その姿が私のお手本かもしれません。 ![]() コーヒーボーイに入社して良かったことは…もう一つは、よりいっそうコーヒーをおいしく淹れられるようになりました(笑) プライベートでも私が淹れると、家族や友達・お客さまに喜んでいただけます。 今感じているのは「コーヒーには『正解』がない」ということです。 私がこれが正解、と思っても、人によっておいしいコーヒーは違います。 ですから、究極はその人が楽しめたら、それが「おいしいコーヒー」なのではないでしょうか。 豆の個性も、知識も技術も大切。 しかし、おそらく、「この方はスッキリとした味がお好きだからこの豆で淹れよう」「濃いめがお好きだからゆっくり淹れよう」という、 お客さまそれぞれのお好みや状態を思い遣ってお出しすることが大切なのであって、 そのような想いや姿勢はきっと、お客さまに伝わっていると思うのです。 それが「人が淹れるコーヒー」「私が淹れるコーヒー」なのではないでしょうか。 ![]() 今まで味わったコーヒーの数々を思い返したとき、香りや味とともに、 場所やお店の雰囲気やスタッフの方、一緒に過ごした人やその時の心境…そんなことまでよみがえることがありませんか? コーヒーはただの飲み物というより、「思い出される記憶の断片」。 通りすぎた記憶や時間の断片を、何度でもよみがえらせて味わうことができる。 これこそがコーヒーの魔法、なのではないでしょうか。 お客さまの幸せな時間の記憶となりいつまでも楽しんでいただけるように、心をこめた1杯を淹れていきたいと思います。 ============================= ![]() 「コーヒーのことをもっと知りたい」そんな声にお応えすべく、 コーヒーボーイの焙煎担当・金近が誰にでもわかるコーヒーのおはなしをお伝えするコーナーです。 第一回目はブレンドを紐解いてみました。 【 今さら聞けないコーヒーのはなし Vol.1 そもそもブレンドって? 】 コーヒー専門店やカフェに行くとたくさんのコーヒー豆が並んでいてどれを選べばいいのかと悩んだ経験はありませんか? それに加えて「ブレンド」か「ストレート」か、といった関門が待ち構えているし、 あまりコーヒーに詳しくない方は尻込みしてしまうなどということを耳にします。 コーヒーはカジュアルに楽しむ飲み物なのに、敷居が高いと感じてしまうのは残念だと常々感じていました。 ブレンドって? そもそもブレンドとは、数種類のコーヒー豆をバランスよく配合したものをいいます。 その逆にストレートは1種類の豆のことを指しています。 コーヒーを知る人の中にはブレンドよりもストレートの方が上質で高価だと理解している人もいるようですが、決してそんなことはないんです。 かつて喫茶店や珈琲館が盛んだった時代の日本では、産地別のコーヒー、 つまりストレートを楽しむ習慣が根付いていて、その名残なのかもしれませんね。 対して欧米ではコーヒーといえばブレンドという認識が定着していました。 こういった背景から推測すると、日本のブレンドはストレート豆をしっかりと理解した上で作られたことが伺えます。 ではそのブレンド、いったい何種類くらいの豆を混ぜていると思いますか? 一昔前は6、7種類の豆をブレンドしていたこともありますが、 最近の傾向としては多くても4〜5種類、平均すると3種類ほどの豆を配合しています。 コーヒーボーイでは少ないもので2種類というブレンドもあります。 コーヒーボーイが毎年4月のマンスリービーンズとして提供している「ナギサブレンド」は、 創業当時の復刻ということで、7種類もの豆をブレンドしています。 味わいの奥行きを楽しめる反面、コーヒーブレンダーの立場からはバランスを取る難しさがあるブレンドと言えます。 近年 掛け合わせる豆の数が減ってきた要因として、一つ一つの豆の質が向上してきたことが挙げられます。 つまりは味の凸凹が少なくなったためにいくつもの豆を掛け合わせる必要がなくなったということです。 ブレンドの大きな特徴は、なんといっても安定した味を供給できる点。 安定というのは1年を通じて同じ配合ということではなく、気候などの外的変化があっても(配合や焙煎具合を調整することで)飲み心地が変わらないという意味です。 ここ最近では、国際的なコーヒーの大会でブレンドを使ったバリスタが上位に食い込むなど、 ブレンドへの意識がずいぶん変わってきているという印象を持っています。 ![]() 味の傾向はどうやって決めている? ブレンドには基本となる方程式のようなものがあります。 例えば酸味を重視するならコロンビア30%、ブラジル30%、モカ20%、グアテマラ20%の配合で作るといったレシピがあります。 これをベースに差し引きをしていき、オリジナルのブレンドを完成させていきます。 コーヒーボーイの一番人気「リッチ&スイート」を例にとると、 コクを重視したレシピを基本にして、コーヒーの甘さが引き立つ配合をしていくといった具合でしょうか。 ホールセール用のオリジナルブレンドを作る場合には、まずはお客さまのイメージを言語化してもらいます。 「華やか」や「爽やか」あるいは「元気が出そうな」とか「大人っぽくしっとりと」などといったオーダーもあります。 それらのリクエストから主役になるテイストの方向性を決め、イメージに合う味を完成させていく作業をします。 配合の注意点としては、目的とする味を作り出すには主従をきちんとおさえること。 これを見誤ると求めている味から遠のいてしまいます。 経験が浅いとついつい足し算し過ぎてしまうのですが、ブレンドの配合には引き算が大切で、 僕自身もいかにシンプルな組み合わせでまとめるかを大切にしています。 さらにブレンドで重要なポイントとして焙煎があります。焙煎のおはなしは別の回で詳しくお伝えしたいと思いますが、 コーヒー豆は生豆の状態をロースト(焙煎)することでお馴染みの茶色いビーンズになります。 この焙煎の具合によって引き出される風味が変わります(よく耳にする浅煎りや深煎りがこの作業にあたります)。 ストレート豆の場合は、豆の産地や特性に合った焙煎をして商品にしていくのですが、 ブレンドでは配合する他の豆とのバランスを考えながら焙煎をする場合があります。 微妙なバランスの見極め方がブレンドの性格付けを左右することもあるんです。 焙煎人が考えるブレンドの面白さ ブレンドの面白さは、それぞれのコーヒーショップのブレンダー(ブレンド担当者)が、 さまざまなコンセプトを持って作り出していることではないでしょうか。 組み合わせによって無限に生まれるブレンド。コーヒーを愛するものとしては、その奥の深さに魅力を感じずにはいられません。 趣味と実益を兼ねて日本全国(コロナ前には海外にも)のコーヒーショップを巡りますが、 行く先々で飲むブレンドコーヒーの幅の広さと可能性には驚くばかり。 スイーツや料理に合わせた配合や、地域性を意識したブレンド、ショップのテーマに合わせた商品など、思い思いのブレンドに出会えます。 最近印象に残った一杯は、東京世田谷区のカフェで飲んだブレンドです。 看板メニューの炭焼きトーストに合わせた少しスモーキーな味わい。 トーストとブレンドの焦げ感を味わえるマリアージュだなんてオシャレだと思いませんか? 新しいコーヒーに出会えるブレンド、その面白さが少しでも伝わったでしょうか。 この夏には季節限定のブレンド・サファリがおすすめです。 ![]()
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メールマガジン2022/JULY
============================= ![]() 【サマーセールのお知らせ】 6月25日(土)〜7月3日(日) コーヒーボーイ全店舗にて2022年サマーセールを開催いたします! 期間中は量り売り豆が30%〜50%OFF セール限定豆もご用意しています。 皆様のお越しをお待ちしております。 *オンラインストアの商品は対象外になります。 ============================= ![]() 【 マンデリン熟成中 Don`t Open! 】 焼きごろ、飲みごろ、ススメごろ。 第1回 日本のコーヒー文化_エイジング。 こんにちは。徳山コーヒーボーイ 代表の河内山です。 この度コーヒーボーイから毎月お届けをしているメールマガジンを リニューアルすることになりました。 その第1号として私がニューコラムを担当いたします。 テーマは「焼きごろ、飲みごろ、ススメごろ。」コーヒーのエイジングと熟成についてです。 欧米に比べ、日本は主な原産国である北アフリカや南アメリカと遠くに位置するため 世界の中でも独特のコーヒー文化を育んできたと言われています。 近年サードウェイブで見直されたハンドドリップも元々は日本で生まれたものだということは 今では広く知られることになりました。 その特異な抽出法からも、 日本人が一杯一杯に深く思い入れ、いかにコーヒーを丁寧に扱っていたかが読み取れます。 そして私が父の手伝いをしながら焙煎を習得しコーヒー豆の卸を始めた頃、 (コーヒー豆自体が元々発酵食品であった事が理由なのか) 焙煎前の生豆をさらに長く寝かせることによって、より複雑なアロマや風味が生まれるという 神話のようなものがあった様に思います。 通常コーヒー豆は生豆の状態で原産国からおよそ9ヶ月間、船底で揺られながら私たちの手元に届きます。 出荷時に充分に精製(果実を乾燥させ生豆にする工程)が行われているはずなのですが、 当時それをさらに一年、二年、三年と寝かせてから焙煎をする「エイジング」という商品が世に出回ることになりました。 今から考えればその工程が香りや味にどれほどの影響をもたらせたのかは定かではありませんが、 豆の中心までトコトン乾燥させた、いわゆる私たちの言葉で「枯れきった生豆」を高温でカリッと深煎りし、 粉を大きく膨らませながらゆっくりとハンドドリップしたそのコーヒーを (少し強めの装飾)の効いた薄手のカップに注ぎ、 経年で美しくコガネに変色したチーク材のテーブルの上にサーブする。 昭和の喫茶店隆盛期のマスターたちが、そんな美学に酔いしれながらコーヒーに深く傾注していった事は容易に想像でき、 またそれが世界を見渡してもどこにも存在しないコーヒー文化を華ひらかせた事につながったのだと思います。 さて今回のコラムの主題は、焙煎後の「飲みごろ」を如何に見つけ出しコーヒーを美味しくいただくか?ですが。。。 コーヒー豆は焙煎時に爆ぜるという現象を2度起こします。 (→爆ぜについてはこちらを参照) その爆ぜによっても豆内にはいくらかの2酸化炭素が残留してしまいます。 そのガスが抜け切るまではおよそ3〜5日。 その間は一言で言えば、コーヒーと言える飲み物にはなっていません。 COFFEEBOYではその間焙煎室で静かに寝かせ、それから店頭に並べる事になります。 店頭に並べばいよいよ「飲みごろ」のスタートです。 その後豆が外気に触れる事によってどの様に変化して行くのか? それは次回以降のお話としましょう。 次回は10月ごろの予定です。またお会いできる日を楽しみにしています。。。 ============================= ![]() 【私のコーヒーカップ 光店・守本雅美】 米国製PYREX社で「by CORNING」。1960年代のものだと思います。ぽってりと分厚く頑丈です。 米軍モノだということで、さすが屈強な軍人と暮らしてきただけのことはありますね。 出逢ったのは10年くらい前、山口市のセレクトショップでこのカップがいくつか棚にならんでいました。 独特な乳白色の柔らかさと、少し黄色みの入ったブルーのライン。 シンプルさ、さわやかさと、経年の味のバランスがなんともいえないでしょう? 持つとしっかりとした重量感。手のひらですっぽり包みたくなるような丸味。 もう一目惚れでした。あ、これだ! と即決で連れて帰りました。 ![]() 4000円くらいだったかな? 私としてはちょっと奮発でしたが迷いなく。 私は「出逢いを待つ」タイプです。「あ、これはいい」と納得するものに出逢うのを待っているんですね。 そして気に入ったものたちと長く付き合ってていねいに暮らす、そんな生活が好きなんです。 このお仕事をしていると「おうちでもたくさんコーヒーを飲まれるのでしょう?」と言われますが、 実はそうでもなくて、1杯くらいです。 それは、頭を空っぽにしたいとき。 自分をリセットして、ナチュラルにチューニングしたい、そんな時間です。 好きなのは、軽めのロースト。柔らかくてフルーティーなタイプです。 ドリップしながらその香りを楽しんで、このカップを手で包みながら、 何も考えずにいただいて一息。 この瞬間、フラットな自分に戻れるのです。 ![]() 「コーヒー淹れたよ」、これが私の決まり文句。 一緒に暮らしている母にも声をかけます。 コーヒーって香りが広がるから、生活を共にする人の分も淹れる。これがコーヒーのできる「心遣い」です。 でも必ずしも一緒にいただくのではなくて、めいめいお気に入りの場所で楽ししむことが多いです。 これはコーヒーの「自由」。 私の定位置は、庭の見える大きな窓のそばです。 そこで庭の緑と、その上に広がる空をゆっくり見ています。 音楽がとても好きなので、よくかけています。 今ハマっているのは、FKL(フレンチ・キウイ・ジュース)という天才マルチアーティスト。 「JUST PIANO」は穏やかでエモーショナルなピアノ演奏でコーヒーにぴったりです。 おとものスイーツで好きなのは「食感があるオートミールのクッキー」かな。 コーヒーのスムーズ感、頭が空っぽでフラットな自分、の状態に「脳が喜ぶ」ザクザク感が刺激的なんです。 ![]() 大切な時間を共に過ごすこのカップの良さは…やはり乳白色の色と、ブルーのラインかな。 ラインは少しはげているところもありますが、それも味わいです。 リセットのツールになってくれる相棒と共に暮らして、いつも思います。 「今日もありがたく、ていねいにすごそう」 ![]()
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