町とコーヒー(2)
- 【02_ 新下関店】
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こんにちは。 COFFEEBOY 代表の河内山です。 現在COFFEEBOYは、山口県内に8店のカフェを運営しています。 それぞれが個性的で周囲の景観に溶け込みながら、それでいてどこか街角を刺激する存在であってほしい。 いつもそんな思いで新しいお店を出店します。が、 時代やコーヒーの役割が変化する中、出店当時の思いと違ってしまう(必ずしも悪い意味ではなく)こともよくあります。 今回のシリーズ『町とコーヒー』は、各店を出店した時の思いと、その後の変遷についてお話しできればと思います。
- 理想型は、オレゴン州ポートランドの
スタンプタウンコーヒー -

当時、毎年のように渡航していたアメリカの西海岸。いつもコーヒー屋巡りをする中で、1番惹かれていたのが、ポートランドのスタンプタウンコーヒーロースタリーという当時アメリカのウェストコーストを代表するコーヒー店でした。 時代は、エスプレッソブーム-言い換えればスターバックスの次の潮流が芽吹いた頃。 お店で出されるコーヒーは、ハンドドリップ発祥の私達からすれば、あまり美味しいと言えるものではありませんでしたが、お店のインテリアは明らかに次の世代が始まった事を予感させる、シンプルなファクトリー系でした。 アンシャーリーさんとも協議を重ね、デザイナーの白井さんにイメージを伝えました。 一方初めての山口県東部地区への出店で私にもいくらか不安があり、手探り状態の中、世代や嗜好を選ばずに対応のできるアイラインドキッチンをセンターに配する形を採りました。 ただ、アンシャーリーさんのお菓子はゆっくりと店内で楽しんでいただきたい! 最初のコンセプトは、とても大切にしました。
- 10年を迎え、新下関店はとても素敵な
コーヒーショップになりました -
少し自画自賛になるかもですが、この店は今すごく良いお店へと成長したと思います。 他のコーヒー専門店様がこんなお店を持たれていたら、正直少しやられたな!と嫉妬してしまうかもしれないです。 開店当初は、PH通り店や山口店の印象を幾らか引きずりながら、スタッフも少しサブカルチャーやカフェの匂いのするキャスティングを心がけていました。 それはそれで、COFFEEBOYファンとしても安心のできる匂いを醸していたと思います。 しかし、時代は少しづつ変わり始めていたのも事実です。 とりわけ洋菓子店のアンシャーリー様とお客様を共有した時に、それは確かになっていきました。 カフェは、文化の発信地や時代の旗艦的な役割を終え、純粋に(その人の背景は関係なく)コーヒーを楽しむ場へと変貌していったようです。 そんな時、今の大下君が店長となりました。 彼はその変化を敏感に読み取ることに長けていたと思います。 お客様は本当に老若男女。様々な嗜好、様々なスタイル&ファッション。 喫茶店でもカフェでもスターバックスでもなく、お客様との距離は、近くも遠くもない、ウォームでクールな関係を築けていました。 まさに私が長く理想としていた、『ザ コーヒーショップ』の形です。
- 外的要素が立ち位置を明確に
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もう一つ、新下関店を押し上げてくれたのが、近くにスターバックスが進出してきたことです。 これは、これまでも何度も経験したことですが、競合店は競合であると同時に共闘できるパートナーになり得るという作用です。 いわゆるエスプレッソをベースにしたフラッペリーなコーヒーと、ロースタリーをベースにテイストを作り上げてゆくコーヒーボーイとの差を お客様に気づいていただいた事は、とても私たちにとってメリットがありました。 また、 この10年間にCOFFEEBOY全体に起こったことと言えば、COFFEEBOYでコーヒーを学んだ、またはお店を支えてくれた多くのスタッフが飛び立ち、山口県のどこかの町かどで新たに町のシンボルとなるようなお店を展開していることです。 これは私達にとっても、とても刺激的で力をもらえることです。 どうぞそれらのお店とCOFFEEBOYをこれからもよろしくお願いします。
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