メールマガジン2024/MARCH

コーヒーボーイ メンバーズの皆様へ

いつもコーヒーボーイをご愛好いただきありがとうございます。 コーヒーボーイ・メールマガジンでは、ショップ情報のほかコーヒーにまつわるトピックスをお届けしています。 今月は明治から昭和にかけて活躍した文豪、永井荷風の「理想のカフェ探し」をご紹介します。

3月のおすすめ豆

3月にご紹介するビーンズは、「コーヒーボーイブレンド・リッチ&スイート」です。 ブレンドコーヒーを作製するにあたってはいろいろなアプローチがありますが、「リッチ&スイート」は その名の通り豊かなコク(リッチ)と甘い口当たり(スイート)の2点にフォーカスして組み立てています。 中心となるのは、コロンビア産豆とタンザニア産豆、 どちらもコーヒーらしい豊かなコクを持っていて、それが実感できるような焙煎度合いにまとめています。 加えてコロンビア産豆には穏やかな甘みを閉じ込めた クリアでキレの良い口当たり、タンザニア産豆にはワインのように豊かで余韻の長いしっかりとした甘みがあり、それら2つの豆種をまとめるような役割でブラジル産豆がつなぎ役として加えてあります。 さらに余韻に華やかでより甘みを感じられるように少しスパイシーなカカオ感がある中深煎りのグァテマラ産豆を付け足してアクセントにしています。 〈コーヒーボーイブレンド・リッチ&スイート〉 プロダクトナンバー:No.145  生産国:1 ブレンド 焙煎度:4 ミディアム+ロースト 濃厚感:5 ミルキィな  精製方法 :ナチュラル製法 価格:669円(税込)100g

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今月のトピックス:
NO COFFEE. NOCREATION
永井荷風の「理想のカフェ探し」

コーヒーは心の昂揚を促す作用と沈静を促す作用の2つの成分を持つと言われています。 そんな相反するコーヒーの力に助けられ、時に巧みに利用しながら 人は様々な素晴らしいアートや文学を創り出してきました。 「コーヒーがなければ、こんなアートは生まれなかったに違いない。」 コーヒーを愛しカフェテリアを愛したアーティストたちのお話です。 【理想のカフェを探し続けた永井荷風】 「おいしいコーヒーは理想の空間で理想の仲間と飲みたい」。 コーヒー好きなら誰もが抱くそんな思いは、今も昔も変わらなかったようです。 今回は明治から昭和にかけて活躍した文豪、永井荷風の「理想のカフェ探し」をご紹介します。 時は明治末期、急速な近代化に後押しされ、日本でも本格的なカフェ文化が花開きました。 1911年、日本で初めて「カフェー」を名乗った「プランタン」の開業を皮切りに、「ライオン」「パウリスタ」といった名店が次々とオープンし、文化人たちはこぞってカフェ通いを始めます。 永井荷風もそうした文化人の一人で、彼の代表作でもある日記『断腸亭日乗』には、カフェ通いの記録が詳細に残されています。 『断腸亭日乗』を読み解くと、荷風は1919年にはじめてプランタンを訪れて以降、時々銀座へと足を運び、同時代の作家や画家たちと親睦を深めていたようです。 しかしそうした習慣も長くは続きませんでした。 ある時、酔った文士に喧嘩を売られる事件があり、それを機に荷風は銀座のカフェ通いをぱたりと止めてしまいます。 実は当時、プランタンの常連客は、お酒を飲む「燗酔派」と静かにコーヒーを嗜む「静観派」とに分かれており、「静観派」であった荷風らは徐々に居場所を無くしていったようなのです。

 

そんな永井荷風ですが、カフェ通いを諦めたわけではありませんでした。 事件から10年以上が経った1933年以降、彼は「きゅうぺる」という喫茶店へと通うようになります。 この頃の荷風は気の合う仲間との交流を求めていたようで、「門口をのぞき見たれど、いつもの諸子在らざるを以て直に家に帰る(店内を覗いてみたけれど知り合いがいないから帰った)」といった記述まで見られます。 多い時には月に10回以上も通い、ついに理想のカフェを見つけたかに思えた荷風でしたが、酔っ払いが増えるにしたがって足は遠のき、1936年「水兵一人泥酔するを見たれば、直に立去り~」という記述を最後に通うのをやめてしまいます。 荷風の日記を読み解いていると、お気に入りのカフェスペースがいかに尊いものであるかを思い知らされます。 なかなか理想郷に巡り合えなかった荷風ですが、カフェ好きは筋金入り。 当時の暮らしぶりが垣間見える『断腸亭日乗』の他、カフェの女給を主人公にした『つゆのあとさき』も名作です。

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