私のコーヒーカップ
児玉町店 田中瑠輝

今日の1杯は「一期一会」
だからこそ、様々な豆やカップを楽しみたい

BODUMのダブルウォールグラス、私の相棒の「マグカップ」です。 ガラスのカップはこのコラムで初登場だと思います。 私は、カクテルなどアルコールドリンクを自分で作って嗜むことを趣味としています。以前バーテンダーをしていたこともあり、グラスや道具、作る所作や嗜む作法なども含めて、お酒にまつわる世界は「美しく」ありたいと考えています。 アルコールドリンクって飲んで楽しいだけではなくて、色合いというのがとても重要な要素です。ですからいつも、自分がおいしく飲むものは、ひとときゆっくり目視で味わいたい。 コーヒーも同じだなと、ある時気がつきました。 部屋の壁には、カクテルグラスやコリンズのお気に入りを飾っている棚があり、そこに並べられるコーヒーのグラスがあればいいなと思いつきました。 でもコーヒーは、普通のグラスですと持っていて熱い。そこで探していると二重構造で手は熱くなく、空気の層のおかげでドリンクの保温性が高い、このグラスに出逢いました。

 

マグカップにホットコーヒーを淹れると、私たちは上からしかコーヒーを見ることがないのが普通ですよね。 そして、ブラックコーヒーってかなり黒に近い不透明なブラウン、というイメージを持っていませんか? でも、このグラスにコーヒーを淹れると、360度全方向からコーヒーの「色」を楽しむことができるんです。 横から見るコーヒーって、思っているよりも、透明感のある琥珀色なんですよね。 従来のイメージよりもすっと軽快な印象で、香りすら軽やかに広がっていくような、視覚の印象の大きさを感じます。 休日のお昼前後のゆったりしたひととき、窓から陽射しが入ってくる時間に、遅めのブランチやコーヒーブレイクにします。 その時、お気に入りのサイドテーブルを陽だまりに出して、このカップにコーヒーを淹れる。 カップを持って陽にかざすと、光が透過して、コーヒーのブラウンがキラキラと揺れます。 味、香りに加えて、コーヒーの色の美しさまで堪能できる、大好きな瞬間です。 ミルクを入れるときも、あえて混ぜずにマーブル模様や層ができるようにします。 その動きや模様も生きているようで美しい。 味も、一口一口均等でない方がおもしろい。

 

二重構造のこのカップだからこそのおもしろさが、「ドリンクが宙に浮いて見えること」。 ちょっとした浮遊感が、ドリンクを主役に演出してくれます。 そう、ガラスカップは「ドリンクを主役にして美しく見せる」ことをとても大切にしている食器です。 焼き物のマグカップには、カップ独自の主張がしっかりあるものが多いじゃないですか。 でもこのグラスは自己主張よりも「ドリンクを美しく見せて楽しむ」…そんな一歩引いた美学を感じるんです。 美学で言えば、僕のこだわりはもうひとつ、「ハンドルがついていないこと」。 シンメトリーなフォルム、シンプルな引き算の美しさ。 これこそ、飽きのこない、究極の美しさがあると思います。 このグラスに出逢うまでは、ハンドル付きの焼き物のマグカップを使っていたんですよ。その中で少しずつ「きれいなもの」「心地いいもの」「好きなもの」を色々試して、ここに行き着いた、という感じです。 今回改めて「自分はこのグラスのこういうところが好きなんだな」と言語化できたことで、またゆっくり向き合ってコーヒータイムを楽しめそうです。

 

自宅で飲むコーヒーは、定番を決めずにその時の気分で変えて色々楽しんでいます。 コーヒーボーイではセールの際に期間限定のおすすめ豆を3種類ほどご用意しているので、いつものコーヒーとは違った新しい豆に出会える機会があるのも嬉しいですね。 銘柄が違うと味や香りはもちろんのこと、色も、微妙に違うんですよ。 そう考えると、今日の1杯は「一期一会」。そのおもしろさ不思議さを十二分に楽しめるカップかもしれません。 みなさんもどんどん、いろいろな豆や飲み方、カップにもチャレンジして、コーヒーの新鮮な楽しさを発見して味わっていただけたら嬉しいです。

私のコーヒーカップ

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