メールマガジン2024/MAY

コーヒーボーイ メンバーズの皆様へ

いつもコーヒーボーイをご愛好いただきありがとうございます。 コーヒーボーイ・メールマガジンでは、ショップ情報のほかコーヒーにまつわるトピックスをお届けしています。 今月はコーヒーボーイの焙煎士が「コーヒーのトレンドと文化」についてお話しします。

5月のおすすめ豆

5月にご紹介するビーンズは、「グァテマラ・アンティグア」です。 ラテンアメリカを代表する高級豆グァテマラ産の中でも歴史の街 アンティグア近郊で栽培される豆は最も安定性があり、鮮やかな酸味とコクを有すると言われます。 一般的にグァテマラコーヒーと言えば、オレンジを彷彿とさせるフレッシュで明るいフルーティーさに透明感のある甘さが感じられ、上品でエレガントな印象のある、魅力的なテストを持つコーヒーですが、コーヒーボーイではこのアンティグアコーヒーを焙煎時にフルシティローストまで煎りあげています。 こうすることによって、アンティグアコーヒーがもともと持っている明るいフルーティーさと、透明感のある甘さに豊かなコクと少しスパイシーさを加えることができました。 〈グァテマラ・アンティグア〉 プロダクトナンバー:No.145  生産国:6 中米 焙煎度:7 フルシティロースト 濃厚感:6 丸みのある  精製方法 :ナチュラル製法 / 天日乾燥 価格:950円(税込)100g

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今月のトピックス:
今さら聞けないコーヒーのはなし
「コーヒーのトレンドと文化(前編)」

「コーヒーのことをもっと知りたい」そんな声にお応えすべく、コーヒーボーイの焙煎担当・金近が誰にでもわかるコーヒーのはなしをお伝えするコーナーです。 今回は2回にわたりコーヒーのトレンドと文化についてご紹介していきます。 僕の子供時代 昭和の頃は、家庭で飲むコーヒーといえばインスタントコーヒーが主流で、コーヒーに浅煎りや深煎りがあることも、精製法の違いや産地によって味に特色があるなどということも知れ渡っていませんでした。テレビコマーシャルで流れていた「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」を見て、ちょっとランクが上の高級なコーヒーもあるのかと、そんなことをうっすらと思っていたくらいでしょうか。 そもそも日本でコーヒーが飲まれるようになったのは明治時代で、一般に広まったのは戦後のことだと聞いています。今のように広く普及してからはおよそ半世紀ほどになります。

 

【日本でのコーヒー文化の始まりとビジネスとの関係】 戦後、高度成長期の頃に街には純喫茶が登場しました。日本発祥のサイフォンやドリップで一杯ずつ丁寧に淹れたコーヒーを提供してくれる店です。 ゆったりと読書をしたりマスターと談笑をしたり、時には静かに考え事をしたりと、一杯のコーヒーを堪能する場として存在していた喫茶店は、それぞれの店がマスターの目利きで豆の産地や焙煎具合を厳選し個性的なコーヒーを提供する場所でもありました。 同時期のアメリカではアメリカンコーヒー(浅煎りで薄く安価で何杯でも飲めるコーヒー)が主流、コーヒーとの歴史が深いヨーロッパではエスプレッソやカフェオレ、ウィンナコーヒーなどそれぞれの地で独自の飲み方が発展しましたが、いずれも日本の純喫茶のような産地や焙煎具合へのこだわりはほぼ見ることができませんでした。 このことからも純喫茶の存在は、日本ならではのコーヒー文化の土壌となったと言えますし、後にアメリカ発祥で世界中に拡大していく「サードウェーブ」と呼ばれる豆独自の特性にフォーカスしたコーヒー文化の流れに大きな影響を与えたと言っても過言ではないでしょう。

 

やがて、喫茶店はビジネスのシーンとのつながりを深くしていきます。「ルノアール」や「マイアミ」と聞いて懐かしい!と思った方は僕と同世代ですね(笑)。 喫茶店が商談の場や昼休みの休憩の場所として使われるようになったのは70年代くらいからだと思います。ルノアールで書類を交わすビジネスマンの姿は日常の風景となっていました。 僕の記憶では、コーヒー一杯が200〜250円。当時としてはなかなかの高級品です。それでもその価値のある飲み物がコーヒーでした。 コーヒーは優雅なひとときのお供から、ビジネスマンの活力を上げる飲み物の代名詞になりつつある時代です。 缶コーヒーが日本で生まれ、大きく発展していった背景にも、ビジネスとコーヒーの関わりの深さを伺えるのではないでしょうか。

 

【第2次コーヒーブームの始まり・・ファーストウェーブからセカンドウェーブへ】 その頃アメリカでは、浅煎りの薄いコーヒー=アメリカンが主流でした。アメリカ映画でよく見るダイナーで提供されるおかわり自由のほぼ値段がつかないコーヒーです。 香りを楽しんだり、酸味やコクを味わったりなどとは無縁の飲み物で、お世辞にも美味しいとは言えないものでした。 僕が子供時代に聞いた「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」など、豆には産地がいろいろとあると言った認識も、当時のアメリカ人にはほとんどなかったようです(余談ですが、「ブルーマウンテン」や「キリマンジャロ」という呼び名は日本独自のもので、実際には「ジャマイカ産」、「タンザニア産」の豆になります)。 そんな中でもアメリカの都心部の街には数少ないコーヒー豆の専門店があって、昭和の時代には日本でもよく見かけたお味噌屋さんの店先のように、大きなバレルにさまざまな産地のコーヒー豆が入れられて、これまた数少ないコーヒーフリークへと提供していました。 80年代に入り、健康志向の高まりとともにジョギングなどの野外での活動が増え、やがてストリートカルチャーとも結びつきを始めます。 それまでINのイメージが強かったコーヒーが、OUTへと変わり、ファッション化していったのもストリートの影響を受けているのかもしれません。 さらにスターバックスを代表とするシアトル系コーヒーの発展により、アメリカではただ同然だったコーヒーが、値段のつく飲み物として生まれ変わります。 世界のコーヒーの歴史の中ではアメリカンコーヒーの時代をファーストウェーブと呼び、シアトル系コーヒーの時代をセカンドウェーブと呼ぶ流れが出現し、このムーブメントは全世界に広がりました。 ただ、後のサードウェーブへの繋がりやコーヒーには生産過程に適った価値があるという考え方は、日本ですでに始まっていた喫茶店で提供される1杯に当あてはまり、喫茶店文化こそがコーヒーヒストリーの中でのファーストウェーブと呼ぶに相応しいのではないかと、コーヒーと長年向き合ってきた僕にはそう映るんです。 次回はセカンドウェーブから現代までのお話をしたいと思います。後編は5月23日配信の6月号の予定です。

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