今さら聞けないコーヒーのはなし
多彩なコーヒーの味のこと

なぜコーヒーの味は多彩なの?

美味しいコーヒー豆が育つには4つの条件が必要だと言われています。 1、気温:年間の最低温度が20℃を下回らない土地。 2、温度差:昼夜・年間の温度差が適度にあること。 3、雨量:年間雨量1500ml以上。 4、土壌:火山性の土壌が最も適している(石灰質はNG)。 赤道から北緯25度、南緯25度に入る地域はこの条件を満たしている場所が多く、一般的に「コーヒーベルト」と呼ばれています。

味の違いは産地の違い?

コーヒーの故郷がどこだか知っていますか? そのルーツは中東イエメンにあり、野生のコーヒーの木から大航海時代に各地へ広まったと伝えられています。 各地へと広まったコーヒーは、コーヒーベルトに位置する「アフリカ」「中南米」「アジア」に根付くことになり、 その後それぞれの土地土地で独自の発展をしていきました。 一概には言えませんが、アフリカ産の豆は「モカ」に代表される酸味がはっきりした明るいコーヒー、 中南米産はカラフル、ブラジルで言えば穏やかでマイルドなコーヒー、 インドネシアを中心としたアジア地域は分厚いコクとしっかりとしたボディ感のあるコーヒーとして分類されています。

土地に適した精製方法が コーヒーの特徴を変える

産地による違いはコーヒーの特徴の傾向を左右しますが、 それ以上に決め手となるのは地域に特化した精製方法(果実を生豆に加工する方法のこと)だと言われています。 例えばブラジルやエチオピアなど雨量の少ない土地で栽培されるコーヒー豆は、 天日乾燥をさせるナチュラル製法(香りと味わいの深さが特徴)が主な精製方法になっています。 反対にグアテマラやコスタリカ、コロンビアといった中米で水が豊かな地域では、 一度水洗いした後に乾燥させるウォッシュド(酸味が引き立つクリアな味わい)が多く、 インドネシアを中心としたアジアでは、スマトラ法(コクのある独特なテイストが特徴)と言われる 早い段階で脱殻し中の実を素早く乾燥させる精製が用いられます。 高温多湿な地域だからこその精製方法と言えます。 コーヒーと同時に伝わった精製方法(ナチュラル製法)は、 やがてその土地の環境に沿った精製の仕方へと変化していったのではないでしょうか。 *精製のおはなしは別の回にて詳しく紹介します。 また、国の在り方によってもコーヒーの特徴が左右されることがあります。 コスタリカは国がコーヒー産業を大きな資源として捉えているために技術指導や金銭的な援助をすることで、 小さな農園でも様々な栽培方法や精法をトライでき、独自の特色を出すことに成功しています。 ホンジュラスなど経済的にも政治的にも混乱した時代が長く続いていた国では、 コスタリカのような発展はなかった反面 昔ながらの栽培方法・精製方法が残っていて、それが一つの個性として注目を集める場合もあります。 最近注目のアジアでは、缶コーヒーなどに使われる品種をメインに栽培していたベトナムが品質の高い「アラビカ種」を増やし、さらにスペシャリティコーヒーへの挑戦を始めています。

コーヒー豆には多くの品種があるんです

土地や精製方法がコーヒーの味の特徴を決めるとお話してきましたが、その基本になる豆にももちろん独自のキャラクターがあります。 コーヒー豆の原種には僕たちが普段飲んでいる「アラビカ種」をはじめとした3種類があります。 そこから品種改良や掛け合わせをしていき、様々な品種が生まれていきました。 「アラビカ種」を基にしたものだけでも30以上の品種が存在していることからも、コーヒーの味の多彩さがわかっていただけるのではないでしょうか。 さらには突然変異で生まれる品種や新しく発見される品種もあり、今後も増えていく可能性を秘めています。 つい最近ではコーヒーの故郷イエメンで「イエメニア」という品種が発見されるといったワクワクするニュースがあり、コーヒーフリーク達の間で大きな話題になりました。 2021年のワールドバリスタチャンピオンシップで優勝者が使った品種は「ユーゲニオイデス」と呼ばれるものでした。 「アラビカ種」の祖先に位置する「ユーゲニオイデス」は、数えきれないほどあるコーヒー農園の中でも限られた農園でしか栽培されていない大変珍しい原種豆です。 強い甘みが特徴のこの豆は現在市場にはほぼ出回っていないことからも多くの方が味わったことがないと思いますが、大きな大会で注目を集めたことで、もしかしたら今後口にする機会に出会えるかもしれないですね!

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