【深煎り】ドリップコーヒーの
「きれいな苦味」を引出す淹れ方解説

最終更新日: 2024/04/10

深煎りコーヒーは、焙煎の最終段階で現れる
苦味と濃厚感を味わうコーヒーです。
この焙煎域の豆は、焙煎時の炭化にともない
ネガティブな要素を多く含むようになります。
この記事では、アクや雑味を避け、
深煎りらしい「きれいな苦味」を引出す
ハンドドリップの方法を解説します。

使用する豆はどなたにも入手が容易な
インドネシア産マンデリンです。

今回ハンドドリップに使う豆は、
ウェブ上でも、お近くの自家焙煎豆専門店でも
入手が容易なストレートコーヒー豆です。
中でも深煎りの代表、インドネシア産マンデリンを使用します。

監修は'17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場 光店守本店長。

おいしいハンドドリップコーヒーへの第一歩は、粉やお湯の量、温度や時間を意識する事から始まります。
計量器を用意する事が望ましいですが、用意できない方への対処法も記事内では解説しています。
このレシピで、あなたがハンドドリップの入り口に立てることを願っています。光店店長 守本雅美

さあ、美味しい深煎りドリップコーヒーを淹れてみましょう!

1. 豆の紹介。深煎りの特性が活かされる
インドネシア産マンデリンを使用します。

インドネシア産マンデリンについて。

インドネシアは赤道直下で雨が多く、土地は肥沃で食物がよく育ちます。
コーヒーも中米のようなプランテーションではなく、
稲や野菜と同じようにひとつの作物として栽培されているのが特徴です。

昨今、浅煎りのフルーティーなコーヒーは世界で確実に増えていますが、
一方、深煎りでしっかりとした風味、
特に質感を表現できるコーヒーは少なくなっているようです。

そんな中でマンデリンは、
世界のダークローストファンを魅了し、確固たる地位を築いてきました。

コラム : コーヒー豆の話をしましょう。_02

●2度爆ぜる。● ダークロースト用の生豆は、深い煎りにも炭化をせずに耐えられる本来の強度を備えています。

コーヒー豆の話をしましょう。_02は >>>こちらから

「マンデリン・ロースト8」。
焙煎/味わい/フレーバー/酸味について。

マンデリンが世界にコーヒーファンを持つ理由は、そのユニークな精製方法にあります。

スマトラ式と呼ばれるその方式は、高温多湿の気候に合わせて生まれた乾燥方法です。
水分量の多い鮮やかなグリーン色の生豆が、その色素を残したまま精製されます。

この方式が、深煎りしたときに他の豆にはない独特の味わいを見せます。
COFFEEBOYの『マンデリン ロースト8』、つまりフレンチローストまで焙煎することで
口に含んだときの重厚感やタラゴンのようなスパイシーさが生まれます。

焙煎室から。マンデリン・ロースト8についてお話しします。


●フレンチ ロースト ●酸味 1 / ●甘味 3 / ●苦味 5

2. さあ、きれいな苦味を引出しましょう。
コーヒー粉とお湯を用意して、第1投。

コーヒー粉について。中粗挽き/中挽きのコーヒー粉 20gを用意しましょう。

このレシピでは、マグカップで1杯分。およそ200mlをハンドドリップします。
200mlのコーヒーを抽出するために必要なコーヒー粉は20gです。

豆で購入し、ご自身で挽かれる場合は中粗挽きに設定してください。粗さは画像のような感じです。
挽いた状態で購入される場合は、中挽きを選択してください。

Q. なぜ、中粗挽きなのでしょうか?

A. 挽き目を細かくするとコーヒー粉にお湯が早く浸透し、抽出に使える時間が短くなります。思い通りのコーヒーを淹れるためには、ある程度抽出に掛ける時間が必要です。中粗挽きにすることで、味をコントロールしやすくなります。

お湯について。湯温85℃を260ml用意しましょう。

200mlをハンドドリップするために必要な湯量は260ml(仕上がりの1.3倍)です。
また、深煎りに最適な湯温は85℃になります。

湯温計をお持ちなら正確に測ってください。

湯温計が用意できない時は、
・お鍋でお湯を沸騰させる
・火を落として(ぐつぐつの状態から)お湯を落ち着かせる
・常温のケトルに指定の湯量を注ぐ(常温に注意)
・その過程で湯温はおよそ90℃前後になります。
・さらに少し時間をおいて冷ましてください。


仕上がりの温度は、およそ75℃です。様々な要素をバランスよく感じることのできる温度です。

Q : なぜ、湯温は85℃なのでしょうか?

A. 1つはマンデリンの持つスパイシー感を強調させるためです。もう1つは、深煎りの豆は水分の含有量が低く、高温のお湯を注ぐと一気にコーヒーが抽出されてしまいます。湯温を低くすることで抽出時間を長くし、味のコントロールをしやすくします。

1投目。コーヒー粉を蒸らします。
その湯量と時間について

さあ、ハンドドリップのスタートです。
(以下、お湯を注ぐ事をドリップと言います。)

ペーパーフィルターをセットして、コーヒー粉を20g入れましょう。
1投目は「蒸らし」です。
乾いた粉にお湯を満遍なくドリップしましょう。
画像(3段目)のようにコーヒー粉が膨らみ、コーヒー粉が抽出の準備をします。

蒸らしの湯量は50ml(50 g)です。
スケール(計量器)を用意できる時は、
・サーバーにフィルターをセット、コーヒー粉を入れた状態で0gにセットてください。
・蒸らしのお湯を50ml(50g)ドリップしてください。


スケールを用意できない時は、
・サーバーに滴がしたたるまで注ぎましょう。
最終的にサーバーの底に薄くコーヒー液が溜まる状態になります。

蒸らしの時間は、深煎りの場合、50秒間です。(注ぐ時間=約10秒 蒸らし=40秒が目安)

Q. 蒸らしの前にペーパーフィルターを濡らした方が良いでしょうか?

A. クラフト色の みさらしフィルターはリンス(濡らす)をお勧めします。匂いの除去がされていない場合があります。漂白済の白いフィルターは、リンスしなくても味には影響はありませんが、私はリンスをする派です。

リンスについて詳しい解説は >>> こちら

3. 2投目。
その時間とプア・ポイント(湯を注ぐ位置)は?

2投目。コーヒーの主な成分抽出、味形成です。

2投目。
【深煎り】コーヒーのハンドドリップで大切なことは、
焙煎時に発生した雑味を抽出しない様にドリップをすることです。

蒸らしで膨らんだコーヒー粉の頂点に、
細いお湯をス〜と注いでください。
ケトルを動かさずドリッパーの中心だけを目掛け、
210ml全ての湯を注ぎきりましょう。

このドリップ方法を『センター・プア』と言います。
(プアは英語で注ぐ:pourを意味します。)

210mlを注ぐ時間は約1分40秒、
2投目の工程は約2分10秒です。(注ぐ時間=100秒 落ち待ち=30秒)

何度か経験して濃さを調整したい時は、注ぐ速度やお湯の太さを変化させてください。
・薄くしたい時は、
注ぐ湯を太くして、サァ〜と早く落としてください。
・濃くしたい時は、
中心から小さな円を描くように細いお湯を注いでください。


さあ、コーヒーがサーバーへ落ち切ったら、深煎りストレートコーヒー、ハンドドリップの完成です!!!

Q. ハンドドリップ のよくある質問_落ち切りについて。

A. 最後にドリッパー内のコーヒーを落とし切るか、ドリッパーを引き上げるかは、とてもよくいただく質問です。お答えは、抽出に掛かった時間で判断をします。

詳しくは『ハンドドリップ 基本のアイデア。』>>> をご覧ください。

『きれいな苦味を引出すハンドドリップ 』のレシピMAP。

深煎りストレートコーヒー
ハンドドリップ レシピのまとめ

○仕上がりのコーヒー量 -200ml
○コーヒー粉 -20g / 中粗挽き
○注ぐ湯量/湯温 -260ml / 85℃
○仕上がるまでの時間 -およそ3分00秒
●1投目 【 蒸らし 】
注ぐ湯量 -50ml
時間 -50秒(注ぐ時間=10秒+蒸らし=40秒)
スケールが用意できない場合 -サーバーへ滴が垂れるまで
●2投目 【 コーヒーの味形成 】
注ぐ湯量 -210ml
注ぐ範囲/プア・サークル -中心のみにドリップ / センター・プア
時間 -注ぐ時間=100秒(その後、落ち切り)

●目次に戻る

4. 抽出後に行う事。
そして【 1:10:13 】と【プア・サークル】の方程式。

サーバー内のコーヒーを
攪拌(かくはん)してください。

ドリップしたサーバー内のコーヒーは、
上部と底部で、大きく濃度が違っています。

サーバーを揺すって、または杯数が多い場合にはマドラーを使って
濃度が均一になる様に攪拌をしてください。

実は、このレシピを開発した守本店長にも苦い体験があります。
2018年日本ハンドドリップ選手権で、審査員に提供したコーヒーの濃度にばらつきがありました。
それが理由で予選の通過を逃した経験があります。

どなたもが同じコーヒーを堪能できる様、しっかり攪拌をしてください。

深煎りのきれいな苦味はうまく引き出せたでしょうか。光店 守本

深煎りのハンドドリップ解説、いかがでしたか?

一つ、提案があります。
このレシピを試された後、今度は湯温を78℃に下げて、抽出をしてみてください。
これまでになくスパイシーで味わい深いマンデリンを発見できると思います。

コーヒーは、時間の経過によって移りかわるカラフルさを楽しむ飲み物でもあります。
そんな味わい方を知っている方なら、きっと喜んでいただけるはずです。

このレシピは、深煎りハンドドリップ法の一つの目安にしか過ぎません。
様々なハンドドリップを思考錯誤して、
ぜひ、あなた の、マンデリンと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位
*日本スペシャルティコーヒー協会_過去の競技結果

コーヒーの世界を広げましょう。

●の、コーヒーを探しましょう。
●ハンドドリップを始める方へ。基本の抽出法。
● ハンドドリップをもっと学びたい方へ。

*光店 守本店長のページはこちら

おいしいハンドドリップの方程式[ 1:10:13 ]と[ プア・サークル ]

おいしいハンドドリップ の方程式は、
光店 守本店長のハンドドリップ メソッドをどなたにも分かりやすくルール化したものです。

・【 1:10:13 】は、複数の方に美味しいコーヒーをお出しする時の分量の方程式です。

・ 1:10:13は、粉の量:仕上がりのコーヒー量:注ぐ湯量の比率です。
・ 仕上がりのコーヒー量は、カップの容量で変わります。コーヒーカップ 160ml / マグカップ 200ml

・【 プア・サークル〈プア/pour=注ぐ〉 】は、2投目以降に注ぐお湯の『円』の大きさを表します。

・ 1投目の蒸らしは共通です。コーヒー粉にお湯を満遍なく行き渡らせてください。
・ 2投目以降は、雑味などを避けるため、焙煎度によってドリップする円の大きさが変化します。

*この方程式を実践した4種のハンドドリップ法の紹介記事をご覧ください。

おいしいハンドドリップ の方程式

●1:10:13は粉:抽出量:お湯の量の方程式
●プア・サークルは焙煎度による注ぐ円の大きさの方程式
● 方程式から実践する4種のハンドドリップ法を紹介します

*おいしいハンドドリップ の方程式 [1:10:13]と[プア・サークル]はこちら

深煎りのきれいな苦味を引出すレシピで、
美味しく抽出できる4種の豆を紹介。

:フレンチ・ロースト / 酸味1 / 甘味3 / 苦味5

:フルシティ・ロースト / 酸味1 / 甘味3 / 苦味4

:フルシティ・ロースト / 酸味2 / 甘味3 / 苦味3

:フルシティ・ロースト / 酸味2 / 甘味4 / 苦味4

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