【浅煎り】スペシャルティコーヒーの淹れ方-
明るい酸味を引出すレシピ解説。

最終更新日: 2024/06/05

スペシャルティコーヒーは、
世界が認める最もグレードの高いコーヒーです。
ドリップコーヒーの初心者の方でも、
一定以上に美味しいコーヒーを淹れることができます。
この記事では、競技者の視点から、
質の高い豆を余す所なく味わうためのハンドドリップ法を解説します。
壁を崩しながら、スペシャルティコーヒーらしい
明るい酸味を引き出していきます。

今回ドリップする豆は、
コロンビア産ゲイシャ アレルセス農園です。

ゲイシャ種は独特のアロマとフレーバーで世界中のコーヒーファンを魅了しています。
今回抽出する豆は、コロンビア最大の生産地ウィラ県、サンアグスチン地区ロス・アレルセス農園です。
コロンビアらしいクリアな飲み口と甘さが加わった、とてもユニークなスペシャルティです。

監修は'17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場 光店守本店長。

おいしいドリップコーヒーへの第一歩は、豆の量や挽き方、お湯の量や温度を意識する事から始まります。
計測器を用意する事が望ましいですが、用意できない方への対処法も記事内では解説しています。
このレシピで、あなたがハンドドリップの入り口に立てることを願っています。光店店長 守本雅美

さあ、おいしい浅煎りスペシャルティコーヒーを淹れましょう!

1. 浅煎り豆の特性と
ゲイシャ アレルセス農園について

コロンビアで最大のコーヒー生産地ウィラ県、
その中でもサンアグスチン地区の1850mという高地にロス・アレルセス農園はあります。

浅煎り豆の特性を知ることが、おいしいドリップコーヒーの第1歩です

このドリップコーヒーのレシピシリーズでは、
ライト ロースト、シナモン ロースト、ミディアム ローストを浅煎りとしています。
(ミディアム ローストは、中浅煎りに分類することも。)
今回使用するゲイシャは、ミディアム ローストです。

浅煎り豆の特性は、焙煎時に多くの火を入れていないので
豆はまだ硬く、水分の含有量も高いです。
手動式のミルで挽く時は、ゴリゴリと音を立て、相応の力を必要とします。

これはドリップを始めた時に、粉がお湯をゆっくりと吸収してゆく性質を表しています。
豆の挽き方とお湯の温度に注意をしながら、香りを開かせていきます。

「コロンビア産ゲイシャ アレルセス農園」
味わい/フレーバー/酸味について

ゲイシャ種は、
希少な原生種でもあるため生産量が低く、
生産技術もまだまだ確立されていません。

そのような中、アレルセス農園主のガブリエル氏は自身の経験を元に、
コーヒーチェリーの収穫から精製までの過程で、様々な試行錯誤と十分な時間を掛けることで、
ゲイシャ種のデメリットを克服しようとしています。

焙煎は、シナモン・ロースト〜ミディアム・ロースト周辺で煎り止めました。
どうぞその豊かなアロマとフレーバーをお楽しみください。

*現在この豆の取り扱いはありません。

ゲイシャ アレルセス農園についてお話しします。


*現在この豆の取り扱いはありません。

2.『【浅煎り】スペシャルティコーヒーの淹れ方 レシピ MAP』

これから解説する【浅煎り】スペシャルティコーヒーのレシピMAPです。
浅煎りのスペシャルティコーヒーであれば、すべての豆で応用可能です。ブックマークをしてご利用ください。

3. 用意する豆の量と挽き方、
お湯の量と温度について

おいしいドリップコーヒー を淹れるためには、豆の量やお湯の量を意識することが大切です。
杯数が増えても変わらないルールがあります。豆の量 : 仕上がりコーヒー量 : お湯の量=0.9 : 10 : 13です。
*ストレートコーヒーの場合は、1 : 10 : 13になります。

コーヒーの仕上がり量と豆の量、
豆の挽き方(挽き目)について

このレシピでは、マグカップで1杯分。およそ200mlをハンドドリップします。
200mlのドリップコーヒーを淹れるために必要な豆の量=粉の量は18gです。

豆のままで購入した時は、中粗挽きにしてください。粗さは画像のような感じです。
粉で購入するコーヒーは、おおよそ中挽きです。

Q. なぜ、中粗挽きなのでしょうか?

A. 挽き目を細かくするとコーヒー粉にお湯が早く浸透し、抽出時間が短くなります。思い通りのコーヒーを淹れるためには、ある程度の時間が必要です。中粗挽きにする事で抽出時間が長くなり、味をコントロールしやすくなります。

用意するお湯の量は260ml。
温度は92℃です。

200mlを抽出するために必要なお湯の量は260ml(仕上がりの1.3倍)です。
またお湯の温度は92℃に調整してください。

湯温計をお持ちなら正確に測ってください。

湯温計が用意できない時は、
・お鍋でお湯を沸騰させる
・火を落として(ぐつぐつの状態から)お湯を落ち着かせる
・常温のケトルに指定の湯量を注ぐ(常温に注意)
・その過程で湯温はおよそ90℃になります。


仕上がりの温度は、およそ75℃です。様々な要素をバランスよく感じることのできる温度です。

*覚えておいてください。豆の量 : 仕上がり抽出量 : 注ぐお湯の量は、いつも 0.9 : 10 : 13 です。
*ストレートコーヒーの場合は、1 : 10 : 13 になります。


Q : なぜ、湯温は92℃なのでしょうか?

A. この焙煎別レシピシリーズの標準湯温は、90℃【中煎り】です。今回は、アロマを引き立たせるため92℃としました。香りはより高温の方が引き立つからです。また浅煎りの豆は他の豆に比べ水分の含有量が高く、いくらか高い湯温で注いでも、抽出時間が短くなることはなく、味をコントロールできます。

4.【浅煎り】スペシャルティコーヒーの
淹れ方 : 第1投 / 蒸らし

ドリップコーヒーを淹れるプロセスでは、1投目は必ず蒸らしを行います。コーヒー粉を湿らせて、抽出の準備をします。
浅煎りや深煎りも同様ですが、注ぐお湯の量と蒸らしの時間が異なります。

抽出を始める前に、ペーパーフィルターをリンスしましょう。(お湯は分量外)

ペーパーフィルターを湿らすか、乾いたまま抽出を始めるかには、いろいろと議論があります。

・クラフト色のみさらし(無漂白)フィルターの場合は、リンス(湿らす)することをおすすめします。
匂いが除去されていない場合があります。

・漂白済みの白いフィルターは、コーヒーの味には影響がありませんが、わたしはリンスをする派です。

1投目の蒸らしでは、乾燥したコーヒー粉にお湯を注ぎ、粉を開かせて抽出の準備をします。
蒸らした後、ドリッパー内のコーヒー粉一粒一粒が同じ状態に蒸れていることが理想です。
そして、2投目のヨーイドンで一斉に粉が抽出を始める。それがムラなくコーヒーを抽出するイメージです。

ハンドドリップでは、直接フィルターにお湯を掛ける事は、(紙臭がコーヒーに移るため)NG行為です。
フィルターの際(きわ)のコーヒー粉までしっかり均一に蒸れるように、わたしはリンスをします。

1投目 : 蒸らし。
お湯の量と時間。

さあ、ハンドドリップのスタートです。

第1投は「蒸らし」です。
最初にドリッパーをトントンと叩いてフィルター内のコーヒー粉を平らにします。
そして、コーヒー粉全体にお湯を満遍なく注いでいきます。

蒸らしの湯量は50ml(50 g)です。
スケール(計量器)を用意できる時は、
・サーバーにフィルターをセット、コーヒー粉を入れた状態で0gにセットてください。
・蒸らしのお湯を50ml(50g)ドリップしてください。


動画を参照してください。
・ドリッパー の真ん中(コーヒー粉が深くまである中心部)は多めに、際(きわ)は少なめに注いでください。
・10秒間で50mlを注ぐ速度を覚えてくだい。


スケールを用意できない時は、
・サーバーにドリッパーから滴がしたたるまでドリップしてください。
最終的にサーバーの底に薄くコーヒー液が溜まる状態になります。

蒸らしの時間は、浅煎りの場合、30秒間です。(注ぐ時間=約10秒 蒸らし=20秒が目安)

5.【浅煎り】スペシャルティコーヒーの
淹れ方 : 第2、3投 / 味形成

第2、3投は味形成、主なコーヒー成分の抽出です。
ここでは壁を崩しながら、ペーパーフィルターの際までドリップする方法を学んでください。

2投目。
コーヒーの主な成分抽出、味形成です。

2投目。
コーヒーの主成分を抽出するドリップです。

このレシピでは、260mlのお湯を5投に分けて注ぎます。
それはドリップを始めてから、時間帯によって抽出される味の成分が異なるからです。
(この事は、競技者でなければあまり知らせていません。)
5投の湯量をほぼ均等にする事で、豆の多様な成分をすべて出し切るレシピになっています。

第2投の注ぐ湯量は50ml。注ぐ時間はおよそ13秒です。
(全体で30秒の工程。)

動画を参照してください。
・ドリッパー の中心からフィルター 5〜8mmの際(きわ)まで円を描くように注いでください。
・際(きわ)まで来たら、今度は中心に向かって注ぎます。
・2、3度往復しながら円内に注ぎ残しがないようにドリップしてください。
・このお湯を注ぐ円を、プア・サークル(pour=注)とこのレシピでは呼んでいます。
・およそ13秒で50mlを注ぐ速度を覚えてください。


スケールを用意できない時は、
・サーバーの目盛りが約40mlになるまでお湯を注いでください。
その後、コーヒーがサーバーへ落ちるのを待ちます。

3投目。
同じく味の形成です。

3投目も2投目と同じく、味形成です。

注ぎ方、湯量。注ぐ時間。2投目と同じです。

スケールを用意できない時は、
・サーバーの目盛りが約80mlになるまでお湯を注いでください。
その後、コーヒーがサーバーへ落ちるのを待ちます。

6.【浅煎り】スペシャルティコーヒーの
淹れ方 : 第4、5投 / 濃度調整

第4、5投は濃度調整です。
ここではセンター・プアという注ぎ方を学んでください。

4投目 : 濃度調整

4投目。
濃度調整のドリップです。

濃度調整といっても、(遅れて現れる)コーヒー成分はしっかりと抽出されます。
4、5投目もカップの一部です。丁寧にドリップをしてください。

注ぐ湯量は55ml。注ぐ時間はおよそ12秒です。
(全体で30秒の工程。)

動画を参照してください。
・ドリッパー の中心のみに、細いお湯をす〜と注ぎ続けてください。
・この注ぎ方を、センター・プア(pour=注ぐ)と呼びます。
・およそ12秒で55mlを注ぐ速度を覚えてください。


スケールを用意できない時は、
・サーバーの目盛りが約130mlになるまでお湯を注いでください。
その後、コーヒーがサーバーへ落ちるのを待ちます。

濃度を調整したい時は、注ぐお湯の太さや速度で調整をします。
・薄くしたい時は、
太いお湯で、サァ〜と早く落としてください。
・濃くしたい時は、
中心から小さな円を描くように細いお湯を注いでください。

5投目 : 濃度調整

5投目も4投目と同じく、濃度調整です。

注ぎ方、湯量。注ぐ時間。
全て4投目と同じです。

そして、260mlを注ぎきったら
コーヒーが落ち切るのを待って、明るい酸味を引出すハンドドリップの完成です!!!

Q. ハンドドリップ のよくある質問_落ち切りについて。

A. ドリッパー内のコーヒーを落とし切るか、ドリッパーを引き上げるかは、よくいただく質問です。答えは、抽出に掛かる時間で判断をします。ドリップを始めると、酸味、甘み、苦味、雑味の順番で成分が抽出されていきます。嫌な苦味が抽出される時間帯までにコーヒーを落とし切る事が正解です。落とし切れない時は、ドリッパーを引き上げてください。

7. バリスタからのメッセージとまとめ

浅煎りスペシャルティコーヒーの淹れ方 レシピは、いかがでしたか?

ハンドドリップは、コーヒーの世界を広げてくれます。光店守本店長

浅煎りスペシャルティコーヒーの
壁を崩しながら、明るい酸味を引き出すハンドドリップのレシピ、
いかがでしたか?

ストレートコーヒーでは
粉量 : 抽出量 : 湯量 =【1:10:13】が基準となるところ、
今回は粉量を90%にして【0.9:10:13】にしました。

その理由は、
・明るいコーヒーがテーマであったこと
・高品質なコーヒーを余すところなく抽出することを目標にしたこと
です。

コーヒーはとてもパーソナルな飲み物だと
私は思います。
ですからここに記した方法は、一つの考え方にしか過ぎません。
様々なハンドドリップを思考錯誤して、
ぜひ、あなた の、スペシャルティコーヒーと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位
*日本スペシャルティコーヒー協会_過去の競技結果

浅煎りスペシャルティコーヒーの淹れ方 レシピMAPを再掲載します

浅煎りスペシャルティコーヒーの
淹れ方 レシピのまとめ

○仕上がりのコーヒー量 -200ml
○コーヒー粉 -18g / 中粗挽き
○注ぐ湯量/湯温 -260ml / 92℃
○仕上がるまでの時間 -およそ3分
●1投目 【 蒸らし 】
注ぐ湯量 -50ml
時間 -30秒(注ぐ時間=およそ10秒+蒸らし=20秒)
スケールがない場合 -サーバーへ滴が垂れるまで
●2投目/3投目 【 味形成 】
注ぐ湯量 -各50ml
注ぐ範囲/プア・サークル -ペーパーフィルターの際5-8mmまで
時間 -30秒(注ぐ時間=およそ13秒)
スケールがない場合 -サーバー内のコーヒーが
40ml(2投目)、80ml(3投目)くらいまで注ぐ
●4投目 / 5投目 【 濃度調整 】
注ぐ湯量 -各55ml
注ぐ範囲/プア・サークル -センター・プア(中心部のみ)
時間 -30秒(注ぐ時間=およそ12秒)
スケールがない場合 -サーバー内のコーヒーが
130ml(4投目)くらいまで注ぐ、落ち切り(5投目)

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