【 中煎り 】ドリップコーヒーの
「甘さとコク」を引出す淹れ方解説

最終更新日: 2024/04/10

中煎りコーヒーは、多彩な味わいを
バランスよく感じることのできるコーヒーです。
なぜならこの焙煎域では、酸味や甘味、
香りや質感などが様々な形で現れるからです。
ここでは、最も中煎りらしい
豊かな【甘さとコク】を引出す
ハンドドリップの方法を解説します。

使用する豆はどなたにも入手が容易な
ストレートコーヒー豆です。

今回ハンドドリップに使う豆は、
ウェブ上でも、お近くの自家焙煎豆専門店でも
入手が容易なストレートコーヒー豆です。
中でも中煎りの代表、ブラジル産豆を使用します。

監修は'17年日本ハンドドリップチャンピオンシップ決勝大会出場 光店守本店長。

おいしいハンドドリップコーヒーへの第一歩は、粉やお湯の量、温度や時間を意識する事から始まります。
計量器を用意する事が望ましいですが、用意できない方への対処法も記事内では解説しています。
このレシピで、あなたがハンドドリップの入り口に立てることを願っています。 光店店長 守本雅美

さあ、美味しい中煎りドリップコーヒーを淹れましょう!

1. 豆の紹介。中煎りの特性が活かされる
ブラジル産のコーヒー豆を使用します。

ブラジル産コーヒー豆について。

ブラジルコーヒーの歴史は古く、
17世紀には、ギニアから持ち込まれたティピカ種の最初の栽培が始まりました。
その後ブルボン種の導入と機械化により、19世紀には既に世界最大のコーヒー産国となっています。

またブラジルコーヒーは、日本人の誰もが最初に思い浮かべる”コーヒーの味”とも言われます。
日本に最も深く関わってきたコーヒーの国がブラジルと言えるでしょう。

関連コラム : コーヒー豆の話をしましょう。

●孤島に一種類だけコーヒー豆を持っていけたなら?●ブラジルは世界一の生産輸出国。価格、量、質ともその安定感に及ぶ国はありません。またそのフラットな風味と甘味が醸す口あたりは、人種を超えて寛容であると言われます。そしてもう一つ。

コーヒー豆の話をしましょう。_05 は >>>こちらから

「マイルド・ブラジル」。
焙煎/味わい/フレーバー/酸味について。

COFFEEBOYの「マイルド・ブラジル」は
平均的な焙煎より一段浅めの、ミディアムローストで煎り止めています。

本来穏やかな酸味と苦味を持つブラジル産豆、
中〜浅煎りにすることでアーモンドやナッツのフレーバーがさらに強調されます。
心の安寧を支える日常の1杯として選んでいただきたい豆です。

焙煎室から。マイルド・ブラジルについてお話しします。


●ミディアム ロースト●酸味 3 / 甘味 3 / 苦味 3

2. さあ、甘さとコクを引出しましょう。
コーヒー粉とお湯を用意して、第1投。

コーヒー粉について。
中粗挽/中挽きコーヒー粉を20g用意しましょう。

このレシピでは、マグカップで1杯分。およそ200mlをハンドドリップします。
200mlのコーヒーを抽出するために必要なコーヒー粉は20gです。

ご自身で挽かれる場合は中粗挽きに設定してください。粗さは画像のような感じです。
挽いた状態で購入される場合は、中挽きを選択してください。

Q. なぜ、中粗挽きなのでしょうか?

A. 挽き目を細かくするとコーヒー粉にお湯が早く浸透し、抽出に使える時間が短くなります。思い通りのコーヒーを淹れるためには、ある程度抽出に掛ける時間が必要です。中粗挽きにすることで、味をコントロールしやすくなります。

お湯について。
湯温90℃、260mlを用意しましょう。

200mlを抽出するために必要な湯量は260ml(仕上がりの1.3倍)です。
また、中煎りに最適な湯温は90℃です。

湯温計をお持ちなら正確に測ってください。

湯温計が用意できない時は、
・お鍋でお湯を沸騰させる
・火を落として(ぐつぐつの状態から)お湯を落ち着かせる
・常温のケトルに指定の湯量を注ぐ(常温に注意)
・その過程で湯温はおよそ90℃前後になります。


仕上がりの温度は、およそ75℃です。様々な要素をバランスよく感じることのできる温度です。

Q : なぜ、湯温は90℃なのでしょうか?

A. 90℃はコーヒーを抽出する上で、最もバランスがよく多彩な味わいを引き出すことのできる温度です。この【中煎り/90℃】がハンドドリップ レシピの基準となり、深煎りは低めに、浅煎りは高めの設定になります。

1投目。コーヒー粉を蒸らします。
その湯量と時間について。

さあ、ハンドドリップのスタートです。
(以下、お湯を注ぐ事をドリップと言います。)

ペーパーフィルターをセットして、コーヒー粉を20g入れましょう。
1投目は「蒸らし」です。
乾いたコーヒー粉にお湯を満遍なく注いでください。
画像(上から3段目)のようにコーヒー粉が膨らみ、抽出の準備を始めます。

蒸らしの湯量は60ml(60 g)です。
スケール(計量器)を用意できる時は、
・サーバーにフィルターをセット、コーヒー粉を入れた状態で0gにセットてください。
・蒸らしのお湯を60ml(60g)ドリップしてください。


スケールを用意できない時は、
・サーバーに滴がしたたるまで注ぎましょう。
最終的にサーバーの底に薄くコーヒー液が溜まる状態になります。

蒸らしの時間は30秒間です。(注ぐ時間=約10秒 蒸らし=20秒が目安)

Q. 蒸らしの前にペーパーフィルターを濡らした方が良いでしょうか?

A. クラフト色の みさらしフィルターはリンス(濡らす)をお勧めします。匂いの除去がされていない場合があります。漂白済の白いフィルターは、リンスしなくても味には影響はありませんが、私はリンスをする派です。

リンスについて詳しい解説は >>> こちら

3. 2投目、そして3、4投目。
それぞれの役割とドリッパー内の状態について。

2投目。コーヒーの主な成分抽出、味形成です。

2投目。コーヒーの主成分を抽出します。
蒸らしで膨らんだコーヒー粉の頂点を目掛けて、
細く調整したお湯を注ぎましょう。
500円玉大の円を描くように
ケトルを回しながら注いでください。

中心から外側に、外側から中心に。何度か往復しましょう。
ここでコーヒーの成分を全て出すつもりで、テンポよくドリップします。

・ 120ml(120g)をおよそ30秒間で注ぎます。
・ スケールを用意できない時は、サーバーの目盛りが約110mlになるまで注いでください。


注ぎおわったら、コーヒーがサーバーへが落ち切るのを待ちましょう。
2投目の工程は50秒間です。(注ぐ時間=30秒 待ち時間=20秒)

3投目は、濃度調整のドリップです。

3投目。主成分を抽出した後、濃度調整に入ります。
2投目と同じように500円玉大の弧を描きながら、40mlをおよそ13秒間で注ぎます。

500円玉の外側にお湯を注ぐと、コーヒーがムラに仕上がったり、雑味の原因になります。
2投目でできた『壁(円の外側の盛り上がった部分)』を崩さずに同じ円内に注いでください。

40mlを注いだら、コーヒーが落ちるのを待ちましょう。
3投目の工程は30秒間。(注ぐ時間=約13秒 待ち時間=17秒)落ちきる必要はありません。

4投目も、同じく濃度調整です。

4投目。
同じく40mlを500円玉の内側に注いでください。

3、4投目の役割は濃度調整です。何度か経験してみて、
・ 濃くしたい時は、お湯をより細くしてコーヒーがゆっくり落ちるように注ぎましょう。
・ 薄くしたい時は、太めのお湯でコーヒーが早く落ちるように注ぎましょう。

ドリッパーの内側は画像のように、コーヒー粉が出涸らし状態になっていきます。

そして260mlを注いだら、
コーヒーが落ち切るのを待って中煎りハンドドリップの完成です!!!

Q. ハンドドリップ のよくある質問_落ち切りについて。

A. 最後にドリッパー内のコーヒーを落とし切るか、ドリッパーを引き上げるかは、とてもよくいただく質問です。回答は、抽出に掛かった時間で判断をします。

詳しくは『ハンドドリップ 基本のアイデア。』>>> をご覧ください。

『甘さとコクを引出すハンドドリップ 』のレシピMAP まとめ。

中煎りストレートコーヒー
ハンドドリップ レシピのまとめ

○仕上がりのコーヒー量 -200ml
○コーヒー粉 -20g / 中粗挽き
○注ぐ湯量/湯温 -260ml / 90℃
○仕上がるまでの時間 -およそ2分30秒
●1投目 【 蒸らし 】
注ぐ湯量 -60ml
時間 -30秒(注ぐ時間+蒸らしの時間)
スケールがない場合 -サーバーへ滴が垂れるまで
●2投目 【 コーヒーの味形成 】
注ぐ湯量 -120ml
注ぐ範囲/プア・サークル -500円玉大
時間 -およそ50秒(注ぎ始めてから落ちきるまで)
スケールがない場合 -サーバー内のコーヒーが
110mlくらいになるまで注ぐ
●3投目 / 4投目 【 濃度調整 】
注ぐ湯量 -各40ml
注ぐ範囲/プア・サークル -500円玉大
時間 -およそ30秒(注ぐ時間=13秒、待ち時間=17秒)
スケールがない場合 -3投目はサーバー内のコーヒーが
150mlくらいになるまで注ぐ
4投目は落ちきるまで

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4. 抽出後に行う事。そして【 1:10:13 】と
【 プア・サークル 】の方程式。

サーバー内のコーヒーを
攪拌(かくはん)してください。

ドリップしたサーバー内のコーヒーは、
上部と底部で、大きく濃度が違っています。

サーバーを揺すって、または杯数が多い場合にはマドラーを使って
濃度が均一になる様に攪拌をしてください。

実は、このレシピを開発した守本店長にも苦い体験があります。
2018年日本ハンドドリップ選手権で、審査員に提供したコーヒーの濃度にばらつきがありました。
それが理由で予選の通過を逃した経験があります。

どなたもが同じコーヒーを堪能できる様、しっかり攪拌をしてください。

中煎りの甘さとコクはしっかり引き出せたでしょうか。光店 守本

中煎りの甘さとコクを引き出すハンドドリップレシピは、いかがでしたか。

ポイントは、
甘味が抽出される時間帯に湯量を集中させながら、残りは均等に分散し、
バランスよく味わいを引き出す。そんなイメージです。


ハンドドリップは、
・コーヒー粉の量/挽き目
・お湯の量/温度
・注ぎ方/時間

この6つの要素をパズルのように組み合わせることで、
自分がイメージするコーヒーと巡り合える喜びがあります。

コーヒーはとてもパーソナルな飲み物だと
私は思います。
様々なハンドドリップを経験して、
ぜひ、あなた の、コーヒーと出逢ってください。

守本 雅美
(株)徳山コーヒーボーイ テイスティング・マネージャー / 光店 店長
*日本スペシャルティコーヒー協会主催 2017年ジャパン ハンドドリップ チャンピオンシップ 決勝大会13位
*日本スペシャルティコーヒー協会_過去の競技結果

コーヒーの世界を広げましょう。

●の、コーヒーを探しましょう。
●ハンドドリップを始める方へ。基本の抽出法。
●ハンドドリップをもっと学びたい方へ。

*光店 守本店長のページはこちら

おいしいハンドドリップの方程式[ 1:10:13 ]と[ プア・サークル ]

おいしいハンドドリップ の方程式は、
光店 守本店長のハンドドリップ メソッドをどなたにも分かりやすくルール化したものです。

・【 1:10:13 】は、複数の方に美味しいコーヒーをお出しする時の分量の方程式です。

・ 1:10:13は、粉の量:仕上がりのコーヒー量:注ぐ湯量の比率です。
・ 仕上がりのコーヒー量は、カップの容量で変わります。コーヒーカップ 160ml / マグカップ 200ml

・【 プア・サークル〈プア/pour=注ぐ〉 】は、2投目以降に注ぐお湯の『円』の大きさを表します。

・ 1投目の蒸らしは共通です。コーヒー粉にお湯を満遍なく行き渡らせてください。
・ 2投目以降は、雑味などを避けるため、焙煎度によってドリップする円の大きさを変化させていきます。

*この方程式を実践した4種のハンドドリップ法の紹介記事をご覧ください。

おいしいハンドドリップ の方程式

●1:10:13は粉:抽出量:お湯の量の方程式
●プア・サークルは焙煎度による注ぐ円の大きさの方程式
● 方程式から実践する4種のハンドドリップ法を紹介します

*おいしいハンドドリップ の方程式 [1:10:13]と[プア・サークル]はこちら

中煎りの甘さとコクを引き出すレシピで、
美味しく抽出できる4種の豆を紹介。

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